ロゴスの小径 〜心の空洞を埋める方法〜

やさしい「哲学」が世界観を変えます。「スピリチュアル」で幸せになれないような気がする方へ。

オンリーワン?ナンバーワン?

オンリーワン。世界でたったひとつだけの花。
世界でたった一人だけのあなた。
その存在だけで素晴らしいので、ナンバーワンを争う必要はない。
皆さん好きですよねこれ・・・。

1982年6月から今年3月までの30年間を通じて
最も著作物使用料の分配額が多かった上位30作品の中で第一位だったそうですし。
でも私、ずっと違和感を感じてたんです・・・
多くの人のヒンシュクを買うだろうと考え黙ってきたのですが。

なんか嘘臭くないですか?

槇原敬之にしてもSMAPにしても、ナンバーワンになったような人たち。
その人たちがそれを言う意味。
そして、ナンバーワンに「なれない」人たちがそれを支持する意味。

どちらも嘘のにおいがぷんぷんします。

と思っていたら学術的にも解明されていました。

格差社会が問題視される現代。
一度落ちこぼれると簡単には社会復帰できない構造の新自由主義
よくない、と言おうがなんと思おうがいまはそんな社会です。

一方、運動会では手をつなぎいち、にの、さん、でゴールする
格差はない、と「演出」するような教育。
通信簿も差をつけない、など。

この構造はすなわち
格差社会を助長させます。

社会に出て、人間は平等ではなく
能力のあるものが上に立つんだという事実。

よくない、と言おうがなんと思おうがいまはそんな社会です。


つまり、
競争社会に生き、実力(努力も)のある者が上に立つということを
知っている人たちが
ヤングエグゼクティブなど年収億単位を稼ぐ20代が増えている反面

横並びの教育を受けて、それでいいんだ、自分は自分、オンリーワンなんだ、と
してきた人たちがニートとして取り残される社会。

ナンバーワン側の人たちからしてみれば、
その方がありがたい社会です。
ナンバーワンは自分だけでいい、君たちはオンリーワンなんだ、
そのままでいいんだよ。そこにいてね、

というメッセージ。
槇原敬之SMAPがそういう明確なメッセージで歌っていたわけではありません。
社会の表象ですので、そういう社会であることが歌に現れただけです。)

オンリーワンのほうの人は
努力もせずありのままの自分でいいんだよね、
いまのままでいいんだよね、とまんまと罠にかかり

経済力も手段も増やさずに
快楽主義的に生きていく構造になっているそうです。

怖いですね・・・

私の先生、樫尾直輝先生はこういうのを
「なんとなくスピリチュアル」と命名されていました(笑)
スピリチュアルの歴史も本来の意味もなにも知らずに

なんとなくスピリチュアルだから大丈夫、
先のことも考えていないし
実力も蓄えていない。でもスピがあるから大丈夫!☆
という感じです(笑)

まあいいじゃないですか、
それでその人が幸せならばと私は思いますが

でも、そのオンリーワン、な人たちは本当にナンバーワンを心に期していないのでしょうか?

であれば問題はありません。
そうして幸せに生きていける人たちです。
これは宗教に近い。
(ちなみにスピリチュアリティは宗教ですよ、カテゴリは。
もちろん従来の信者を集めるような宗教とは違いますが。)

しかし、実際は?
スピリチュアル的なものに縋るのは、
みえない自分の未来を操作したいからです。
運命を変える、新しくしたい。

それはいまのままの自分でいい、とは違いますね。
本当はナンバーワンになりたい

でもそこまでの努力はいやだ、
なのでオンリーワンでいい、と自分をごまかす・・・

毎日幸せ!幸せ!と生きるのと全く同じです。

今のままの自分でナンバーワンになりたい、というエゴが
背後に見え隠れ。


オンリーワンのままいて欲しい人たち。
オンリーワンで幸せ!として上昇志向のない人たち。

双方の意見があっているので誰が聞いてもヒットするわけです(笑)

いや、そんなことはない、
私はこの歌で救われた、この歌の意味はそうじゃない!と
する人がいてもそれでOKです。
どう感じるかは人それぞれですから。

けれど社会学的には、そんなふうに考えられているということも
ちょっと知っているとなにかの気づきになるかもしれませんし、
その危険性を頭の片隅においていくといつか何かの役にたつかもしれません。


オンリーワンなんて当たり前です。
というか、それしかありません。
たったひとりの個性なんですから。

その当たり前にあぐらをかくのではなく

どうせ生まれて死ぬ一生、
なにかのナンバーワンを目指すように生きるのもまた生きた証。
そして私はそういう思考の方が好きです。

もちろん人と競う事に意味がないことはたくさんあります。
けれど個人レベルの視点で考えれば、人は競わずにはいられない生き物です。

人と比べず自分のヨガをしてください、と言われるヨガレッスンさえ
人より多く曲げようとするような人のなんと多いことか。
そして自分だって曲がるなら曲げているはずです(笑)
曲がらないからこその、自分のヨガでいいんだ、なわけで(笑)

仕事でも
勉強でも
恋愛でも
なんでも

やるからには人は自然に一番を目指してしまうと思うのですが。

なれるかどうかは別としても
その努力こそが
より善く生きる、ということなんだと私は思っています。

それをした上で、できなかったときに照れ隠しの 自称オンリーワンか
本気でナンバーワンに興味がないか
(自分の好きな人のナンバーワンになる、にも
興味がないということになりますね。達観してますね!)

それ以外は
ありのままの自分を認めてあげていないで
自分をごまかしつつ生きることになります。

ちなみに先生の著書では
「男性が女性を口説くときに使うものだ」だそうです(笑)
確かに

キミは僕のナンバーワンではないけれど、オンリーワンだよ、とか
言われたらムカッと来そうですね。女性が男性に言ってもですが(笑)


いかがでしたでしょうか。あんないい歌に対してなんてことを!ですか?
今日はクリック少ないんだろうなーと思いつつ・・・^^;
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