ロゴスの小径 〜心の空洞を埋める方法〜

やさしい「哲学」が世界観を変えます。「スピリチュアル」で幸せになれないような気がする方へ。

あなたが生まれた意味

あなたの「自分の全存在をかけてでも成し得たいこと」
はなんですか。
ドキッとしませんか。これ。

先日の『100分de名著』で特集していた
『星の王子様』のテーマです。

中学時代にぼんやり読んだだけで、
単なるファンタジーとしかとらえていませんでしたが、
実は深い哲学がテーマでした。
優れた文学の根底には
哲学の思想が流れています。

それを知ってから読書すると
その読書の意味は何百倍にもなります。
正直絵本に興味がない私は
なぜアレがそんなに人気なのか
全くわからずにいました。
美術館まであるし・・・。

でもそれを知っている人が
大人になっても
『星の王子様』が好きなのかもしれません。

(・・・いや、違うような
気もします・・・
単にキャラクターが好きという
だけの気も・・・(笑)

作者の
サン=テグジュペリ
物語の登場人物同様
郵便飛行士だったそうです。

物語の郵便飛行士は、
絵描きになりたい夢をもっていました。

彼が子ども時代描いた絵が
例の
象を呑みこんだ大蛇・・・
帽子に見えるアレだったんですね。

それを誰にも理解されず
絵描きへの夢を昇華しきれないまま
断念して大人になったので
生きるのが上手ではなくなってしまった
飛行士が、
王子様と出会って変化していくわけですが
(そんな話だったのか!)

「自分の全存在を賭けてでも成し得たい夢」を
大人は忘れているが、
子ども時代に確信したそれを
そのまま無かったことにして
抱えて大人になるけれど
大人の心の中にある
子供時代の自分の心には
それが置き去りにされていて

だから生き難い大人になってしまう。

作者は心理学的側面から
生きる意味を語っているんですね。


「自分の全存在をかけて」


ドキっとしませんか?
私はかなりドキッとしました。

この世に生まれて死ぬだけの
「皮袋」でしかない人間。

生まれた意味などなく、
だからこそ
誰もが生まれた意味を探す。
これが哲学の根幹です。

答えはないのでそれぞれ
見つけ出すしかないのですが

そして子供にその答えを見出すと
夢は子どもに託せばいいわけで
自分が「何かを成し得る」ことができなくても
子育ては何よりの言い訳になるので
一番楽なので
誰もがその道を選ぶそうですが

子どもがいる・いないにかかわらず
その道を選べない人がいる。
その人は真実から目を逸らせない
哲学体質の人であるわけですが


人間が
「自分の全存在をかけて成し得たい夢」
を叶えるために生きているとしたら。

そしてそれが子供時代に
形成されるものだとしたら。

自分の夢はなんでしたか?

何のしがらみもなく
それが夢だとも知らないような

「野球選手になりたい」
「宇宙飛行士になりたい」
のような夢。
「お父さんになりたい」
「おかあさんになりたい」
であえばある意味、子どもを産み育てるのも
自分の全存在をかけて
叶えたかった夢なのかもしれません。

なるための努力すらせずに
まわりに否定されたり
笑われたりして
一歩も踏み出せなかった夢。

お金を稼ぐことに目が行き
叶える努力すらしなかった
置き去りの夢。

私はあまりにも簡単に
それがなんだか知っていました。

画家です。

でも小学生のころから既に
画家で食べていくのはできないと
知っていました。

誰かに言われたのかもしれませんが

小学校三年の頃には、
家を設計する人になりたい
と言っていた、しかしそれは
画家にはなれないからだと
今思い返せば知っていたからです。

父はまた画家になるのを
夢としていましたが
祖父が癌になり後を継ぐしかなくなり
夢をあきらめていました。

だから私には絵を描かせたいと
そんな話まで聞いていたのも
覚えています。

にもかかわらず
10歳頃には既に
画家にはなれないと知っていたわけです。

もちろんそのための努力もせず
私は
イラストレーター・デザイナーという
道を選び、そのための努力をしてきました。

自分の全存在をかけてそれに
成りたかったのか・・・
到底思えません。

それらは代替え品でしか
なかったからです。

仕事をしても何か
自分の核に触れていない気は
常にしていました。

置き去りの夢は
やっと4年前に思い出すわけですが

ところで同じように
画家を夢見ていた友人がいます。

画家だけで食べてはいませんが
彼女はその夢と常に
一緒に歩んできました。

仕事を変えても
そして確実にスキルアップしていても
常に彼女の核には

「全存在をかけてでも成し得たいそれ」
があるのです。

お金にならないからやらない、とか
誰かにダメだと言われても

いっさい関係ありません。

そういう人が
その夢を果たさずにほかに夢をみつけても

それは昇華されている
つまり
その夢に向かったことがあるかどうか

そこで
生き難くなるかどうかが
分れるような気がします。

実際『星の王子様』を解説する教授も
夢を叶えたかどうかよりも
その夢に向き合ったかどうか、について
話されていました。

子供時代、がキーワードのようです。
だからこそ童話であり、
心理学的には、
大人の心の奥底に抱えた
子どもの心、それが世間体やお金や
そういったものいっさい関係なく
本能に近い部分の心だからだそうです。

自分の全存在をかけて
成し得たいそれは

子ども時代に自分が知っていたもの。

それは
そのまま自分が生まれた意味、
生きる意味なのかもしれません。

いかがでしたでしょうか。
ずっとアップできずにいましたが
昨日もたくさんのクリックありがとうございました(>_<)

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