ロゴスの小径 〜心の空洞を埋める方法〜

やさしい「哲学」が世界観を変えます。「スピリチュアル」で幸せになれないような気がする方へ。

自己模範

ロゴスの小径へようこそ。

今日は日本画家の加山又造展へ日本画仲間と行ってきました。
鴉をテーマに描かれることが多いのですが、
とても印象的な絵がありました。

双頭の鴉。

それに寄せられた作者のコメントは

孤独でいられる幸せ
そして悲しみ

ああこの人、哲学体質の人だったのか・・・と思って
ギャラリートークに参加するとやはり
深く思想する人だったとか。

思想しても救われないから描くんだけど
それでもそれ自体で幸せ!になれないんだよね・・・
彼の描く動物はどこか抱きしめたくなるような悲しみがある。
(でも猫だけは、奥さまにダブらせていることもあるようでほんわか)

さてギャラリートークで出てきた言葉。

自己模範。

人は一度成功すると、それを繰り返してしまうそうです。
まあ当たり前ですよね。

経験を活かし賢く生きるのなら
過去の失敗を見直して次からは違う方法を選び
成功は踏襲していく。

あたりまえです。
それ以外ないと思えるほどあたりまえ。

意識しなくても人はそうして生きています。

けれど
そこを打ち破れるかどうかが
リエーターの力量にかかわります。
画家だけではなく
俳優や映画監督や小説家。
アーティストは常に、自分の殻を破れる人が高みにのぼって行きますよね。

自分の殻を破る、とは
革新的な何かをすることですが結局

過去の成功を捨てることにあるのではないでしょうか。
殻は自分の成功で固めてきた鎧なので。

自己模範を繰り返す人生は
安全で確実かもしれませんが

この世に生まれたからには
思い切りジャンプして、自分の中で最高の高さまで跳びたい。
(他人と比べて、ではないのはまさにここです。)

安全に長生きするのが
人生の目的、と思えるならばそれはそれでいいのですが。

大好きな北野たけしさんが、
漫才ブームで最高潮に売れていた時、
このままじゃだめだ、と勉強を始められたそうです。
具体的にはハードなスケジュールの中、膨大な量の読書から。

その時相方のきよしさんは、
もうここまで売れたんだから大丈夫だよ、と
何もしなかったそうです。

これ、後日談ではなく
当時リアルタイムでラジオで語っておられました。

まだ学生で子供だった私はこれだけ売れてるのに、なんで他のことをするの?
と正直思いました。
漫才してればいいのに・・と。
(当時、歌を歌ったりいろんなことにチャレンジされていました)


ところで先日
伊勢の遷宮が開催されましたね。
テレビご覧になりました?

(あのとき流れていた雅楽、私の個展で流しているのと
同じ!と気づかれましたでしょうか。)

なぜ遷宮って行うのでしょう?
技術の継投のため、はもちろんですが

魂(たま)は、同じ場所に留まると
くすぶり パワーをなくすというのが
日本古来の思想です。

新しい場所に移ることで
新しいパワーを得るのです。

天皇家で行われる神事が
タマフリ と タマシズメです。

魂を揺さぶり
揺り起こす神事。

振ったあとは鎮魂、つまりたましずめ。
また新たな魂を入れ直して
活力を生み出します。

滞った水は澱みます。
なんだか日本の政治、とか官僚、とかベタですが思い出しますねw

ふるへ
ふるへ
ふるふる
ふるへ

魂をゆさぶり
新たなる高みに跳ぶには

一度自分を捨てるしかない。

知らず知らずのうちに自己模範に陥っているのが
人間です。
もちろん私も。

それに気づいたとき
史学や哲学を学び出し
制作スタイルも自然と変わってきたのですが

きっとこの先も何かしらそうして
生きていくんだろうな・・・。

何か生活に張りがないと感じたら
自己模範に陥っていないか
考えてみると世界が開けるかもしれません。
成功を捨てるのは苦しいですけどねw
(ちなみに成功、とは自分の中の成功という意味です。)


いかがでしたでしょうか。

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