ロゴスの小径 〜心の空洞を埋める方法〜

やさしい「哲学」が世界観を変えます。「スピリチュアル」で幸せになれないような気がする方へ。

「祈り」の本質

ロゴスの小径へようこそ。

愛犬の容態が悪化しているのがわかります。
もしかしたら、今 息が止まってもおかしくない

そんな状態です。

彼を隣で見守りつつ
思考してみたいと思います。
かなり深い思考ができると考えます。

実は帰宅後 発作のように、もうダメか・・という状態になり
さんざん泣きました。
今彼は眠っているので
落ち着いていて

だから私は今、ひどく冷静です。


さて
「死」の隣にいるのは
なんと恐ろしいことでしょうか。

いま、目の前に消えそうな命があり、息が止まったらもう死んでしまう

そのどうしようもない場面を
待つように
避けるように

私はここにいるしかない。

死の瞬間を見たのは二度。

先代犬のうちの一匹、しかし
病院でしたしツレもいたので
あれよあれよという間でした。

もうひとつは、祖母。
やはり病院で親戚一同と一緒でした。
もう意識はなく、心臓が止まる機械の心音のピー音を
皆で待った、という印象。

けれど

いまは

目覚めれば、しっかり目が合い
苦しそうにするこの子と二人です。

ツレは逃げました。
死の瞬間が怖いのでしょう。かわいそうで悲しくてつらくて。
でも、その気持ちを汲んであげる、なんて
できそうにありません。

多分私が死ぬときも、
逃げられるんだろうな、というのが
今日わかってしまいました。

私だって辛いし怖い。

けれど
それよりも愛しい。

だから
放っておく選択肢はありえない。


この、必死の呼吸が止まるのを
私は体験するかもしれない。
それはなんと恐ろしいことか。
成す術もなく
泣くしかない。

怖いです。

眠ったまま、そのまま逝ってしまって欲しいと
苦しまないで欲しいと
それを祈るばかりです。


実は明日からステロイド治療に入ると決意したところでした。

それは、一時的に回復したようになっても
長期的な服用はできず、結局
体をむしろ破壊する治療法。

老犬で、もう先がないとしても、
ステロイドは賛成しかねる、という
経験者のブログもたくさんあります。

副作用もありますが、
それより
延命で、むしろ苦しませるかもしれないということを
引き受ける、ということです。

もし自分だったら・・と思うと
やめて欲しい・・・。

延命したところで、最後の苦しみは必ずやってくるのだから。
(ちなみに再考中です。)


で、そんなブログをあれこれ読むうちに

同じような体験をされた方のブログにいきつきました。

血を吐くような思いで
神に祈った介護の日々。

彼女が愛犬の死の間際に綴っていたのは


「神様はいませんでした」

という一文。

そう、神様はいない。
いたとしても、私たちが考えているようなものではない。


神様はいません。

祈っても
愛犬は元気にならず

では苦しそうなのでもう眠らせて欲しいと祈っても
かぼそい呼吸は止まりません。

私の命を差し出すからと
そのブログの主は訴え

私も痛いほど気持ちはわかります。

けれど

それでも神様は願いをきいてはくれません。

神様なんかいなかった

その
絶望的な一言。

しかしその後で彼女は
「それでも祈るしかない」と綴っていました。


そうです。
神がいないとしても
いても、願いなんか聞いてくれないとしても

自分の力ではどうしようもなくて
他人の力でもどうしようもなくて
神様なんかいなくて

そういう絶望した状態で

唯一出来るのが「祈り」です。
それが本質だと思います。


「神様」があって、それに「祈る」ことで
願いがかなえられたりする、というのは
宗教上の話。

むしろ

このどうしようもない思い・・・
祈るしかない、というこの状態

この「祈り」の中から
私たちは「神」みたいなものを創る、もしくは感じるのではないでしょうか。

願いはかなわないと100%わかっている。
けれど
それでも祈る。

これが本来の宗教の基本です。
だから信者に
神様なんかいないよ、と言うのは意味のないことです。

いても、いなくても、関係なく
「信じている」のが宗教ですから。
とはいえ、そういうご利益に関係なく宗教を信じている人は
年々減っており、日本人ではものすごく少ないそうですが。

「祈り」の本質とは
それ以外にできない、どうしようもない心を
唯一救う可能性のあるもの。


祈るしか
結局できないんです。人は無力だから。



でも、もう一つ。
しかしそういう絶望を体験しても

また笑える日もくる。心が病まなければ。
人は忘却するので(実は脳では記憶していますが思い出せなくなります)。


いまは、祈ろう。
どうか苦しまずに眠って欲しい。ただただそれだけ。


いかがでしたでしょうか。
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