ありのままの自分
ロゴスの小径へようこそ。
ありのままの自分、って最近よく聞きますが映画は観ていませんｗ
けれど、ありのまま、の定義は非常に難しいものです。
ありのまま、
持って生まれたまま
そういう先天的に持っているものを
ア・プリオリ
と言います。
しかし実際人間にそういうものはあるのでしょうか？
生まれ落ちた瞬間から
私たちは家族や友達からさまざまな影響をうけて
生きています。
りんごがりんごであることさえ
私たちは先天的には知り得ず、
誰かに教わるのです。
ただ、
時間と空間の観念だけはあるとカント以降の
哲学者は言います。
確かに誰かに教わらなくても
時間が流れているような気がすることや
空間というものが「ある」という感覚は
赤ん坊でももっているそうです。
そして
数 というものも、
誰に習わなくても
１とか２とかいう言葉は知らなくても
理解できるそうです。
（数式はわからなくても、
二人の人がいれば、りんごを二つ、というような）
現在推測されているのは
それだけです。
ありのままの自分だ、と自分が思っているところの自分とは
結局自分がそうありたいと思う自分、
もしくは自分の経験や推測内での自分でしかありません。
すばらしい作曲の能力がありながらも
それに気付かず一生を終える農夫がいたとして
彼は「ありのまま」の作曲の能力を活かし
生きることは不可能ですし
それに気付けず一生を終えるのであれば
「ありのまま」とも認識することもできません。
つまり
ありのままだ、と自分で思えるのは
自分がそう認識した範囲でしかないんですよねえ・・・。
いけないいけない、
またつい世間の風潮に逆らうようなことを・・・ｗ
でも、ちょっと哲学を学んだことのある人なら
この問題はかなり大きな問題なので
すぐに
ナニイッテンダカ・・・
と気付いてしまうわけですｗ
けれど、
真実や真理、つまり
ありのまま、なんてこの世にないんだよ、と言ってみても
だからって別に何がどうということもありません。
真の「ありのまま」を知らなくても
生きていけますし。
これが私のありのまま、なの！と決めて
楽しく生きていけるならそれでいいわけですしね。
私はやはり
考えても考えても
ありのままの自分、なんて
思いつきません。
常に誰かの影響を受けてきた自分しか思い出せないですし
そもそもそんな言葉を恥ずかしくて人に言えません。
だから
ありの〜ままで〜〜
とか聞こえてくるとすごく恥ずかしくなってしまいます・・・
本気で言ってんのか・・・と・・・
ありのままの自分。てなんでしょう？
ちなみにこうありたい自分、とか
なりたい自分、ではないことは間違いないわけで
むしろ情けないことになる予感がするのは
私だけでしょうか・・・。
いかがでしたでしょうか。
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