ロゴスの小径 〜心の空洞を埋める方法〜

やさしい「哲学」が世界観を変えます。「スピリチュアル」で幸せになれないような気がする方へ。

死と生は同じもの

ロゴスの小径へようこそ。

突然ですが私の哲学(美学・芸術学)の先生の訃報を
先ほど耳にしました・・・。
ショックでどうしたらいいのかわからずにいます。

こういう時は私は文を綴ります。
そうして思考を落ち着けます。
それを試みますが、前もっていつにもまして乱文になると思われますが
ご容赦くださいませ・・・。


去年末
先生の最後の講義となったクラスに参加したことになってしまいました。

先生はニーチェを中心にハイデガーもご専門にされていた教授で
私は先生に卒論をみていただくつもりでした。
そのお話も去年末の講義でこそっと打診させていただいていたのです。

まだお若い先生で
突然のことでした・・・。


死は悲しい。
それはお別れしたくないから。

先生と次回お会いしたらこんなことを話そう、と
次のニーチェのクラスの参加表明をしてあったので
いろいろ考えていたのです。

卒論ではどんなことを学べるのか
楽しみにしていたのです。

哲学にはまり込み、芸術の意味を見失っていた私に
ひとつの明確な答えを与えてくださったのが
その先生だったのです。

この感謝とそして伝えたかったもろもろを
どうしていいのかわからない。
先ほど哀悼の意を掲載できる掲示板(そういうものがあるのですね)に
書き込みましたが

ありがとうございました、と終わりにしたくない気持ちで
いっぱいになりました。
さよならしたくないのです。

そしておそらくはこの先
私が制作を、芸術を捨てない限りは
先生のことを常に思っていくのでしょう・・・

先生はハイデガーもご専門だったので
そのことを考えてしまいます。

生は死の対極にあるように私たちは考えてしまいますが
生と死は同じものであるといったのは
ハイデガーです。

その深い意味もお話をお伺いしたかったですが

ハイデガーに触れるということは死を考えるということなので

先生も死について深く考えられる方だったのだなと
(哲学の先生なのであたりまえですが)
改めて思います。


もし人間に死がないとしたら

「生きる」という意味もなくなります。

死ぬ、ということで人間は初めて生きることができるという
ハイデガーの思想の深さは読み取り切れませんが

けれどこれならわかります。

人は、死を悼み、
悲しいものであり
いつかは自分も死ぬとわかっている。

けれど


それは今ではないと思っている。


他人の死は悲しい
自分も順番は来る

けれど今日ではない

そう思って生きていませんか?
もちろん私もです。

死を実感して生きていないんです。

怖いから。
考えるのが嫌だから。


けれどそこから目を背けなかったのがハイデガーです。
だから死の哲学と言われるのです。

もちろん
ハイデガーの根底にはキリスト教があったと解釈されていますが
無宗教であるという自負のもと書かれた著書は

概ね無宗教だと自負している私たちに
非常に響きます。

神様を持ち出さずに死を考えるということを
ハイデガーはしていたのです。
(繰り返しますが根底にはやはり神があったり、
晩年は思考が変わってはきます)


こうなったから言っているのではなく

私の人生を変えるほどの、
私の一番知りたいことを
教えてくださる先生でした。

いつか私の絵を
それも自分で誇れるレベルのものを

見ていただけたらと

それを夢にしていました。



死は突然いつでも訪れます。
それは私にも、あなたにも。

それは今日かもしれない。

病気でうすうす先が感じられる状況だけが
死ではないことも。

だとしたら

生きたいように生きずにいる時間は
一秒だってないんです。

もちろんそれは人それぞれかもしれません。
自分の人生をささげてもいいと思えるようなことに
自分の時間を使うのを

テレビを見ることや
友達と遊ぶことや
家族のために使うことや
何にあててもいいんだといいんだと思います。


私がいまぼんやりと思っているのは

他人の価値観に自分の時間をささげるのはやめようと
思うばかりです。

例えば学び(気づき)の全くないようなテレビや遊び、
他人の作った価値観の世界ですよね、それって

その中でただ消費されるように生きるなんて

私はいや。


先生に習った時間はたったの三か月。
だから私の中にある先生は、
私の創った「先生」でしかないのかもしれない。

けれどそれでも
先生の教えを楔に

私は今日から生きていこうと決めました。


そして今後はやはり宗教学も学ばないと、と改めて思います。
頭で理解しても
先生とまたお話ししたいというこういう思いは
どうしようもないものです・・・。



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